送信アンテナから輻射される電磁波は、その進行方向(下向き)に対して広がりを持っているため、下図に示すように鉄筋直上通過前のP1においても前方の鉄筋からの反射波(R1)を受信する。よってこの位置では、装置から鉄筋までの斜めの距離d1を表示することになる。装置から鉄筋までの距離は、装置が鉄筋直上(d2)になった時に最短となり、その後、再び装置は鉄筋までの斜めの距離を表示することになる。その結果、レーダ画面に表示される2D画像(断面画像)では、鉄筋直上をピークとする左右対称の山形波形(赤実線)として鉄筋が表現されることになる。この山形波形は双曲線(ハイパボーラ;hyperbola)であり、鉄筋に接近する部分を山形波形の「立ち上がり」、鉄筋から離れる部分を「立ち下がり」と呼ぶ。
このように電磁波レーダ法では、鉄筋の位置を2D画像上、点として直接求めることはできないが、鉄筋と直行する方向に装置を移動させ、鉄筋からの山形波形を得ることにより、そのピーク位置を鉄筋直上とし、またその位置での深度を鉄筋の深度として求めることができる。
図1 鉄筋が山型波形になる理由
図2 鉄筋が山型波形になる理由