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電磁波とは 電磁波レーダ(パルスレーダ法)の概要

電磁波とは

 電磁波とは、真空または物質中を電磁場(電場と磁場)の変化によって形成される波(波動)が伝播する現象をいう。

 電磁波は、気体、非導電性液体(例えば油、LNG 等)、非導電性固体(例えばコンクリート、FRP、ガラス等)中を各媒体固有の速度で直進する性質がある。また異なる媒体が接する境界面で反射する性質を持っており、特に金属の表面で全反射する特徴を有する。そのうちマイクロ波(図1-1、一般的に周波数300MHz から3THz の電磁波)と呼ばれる周波数帯は、衛星テレビ放送、携帯電話、レーダ、電子レンジなどに広く利用されている。

 電磁波レーダは、このマイクロ波帯の電磁波が媒体中を一定速度で直進し、物標で反射する性質を利用して、物標までの距離と位置を検知する技術であり、Radio Detection And Ranging の頭文字をとってRADAR(レーダ)と名付けられた。これまで電磁波レーダは、船舶、航空、気象(雨量)等、主に空中の分野で利用されてきたが、最近では、コンクリートや地中の内部探査等の数cm ~数m といった比較的浅い媒質中においても利用されるようになってきた。電磁波レーダを用いた非破壊探査は、エックス線検査のような危険な放射線を使用しないことから、利用範囲も広く、今後さらに発展が見込まれる分野である。

電磁波レーダについて

図1-1 電磁波の周波数と波長