2018年04月10日更新
深さの判明している鉄筋がない場合の比誘電率の推定方法について説明します。
測線に直交する鉄筋からの反射波形は、左右対称の山形波形(ハイパボーラ波形)としてBモードに現れます。この山形波形の特徴は、鉄筋かぶりと関係し、かぶりが浅い場合に頂部が鋭く、深くなるにしたがって頂部が緩やかになります。
※「鉄筋が山形波形になる理由 」、「鉄筋の深度と山形波形(ハイパボーラ波形)の関係 」を参照
PnとP2の水平距離とRnの関係を測定された山形波形に合わせることで、鉄筋のかぶりd2が正しくなる比誘電率を決めることができる。
この性質を利用して、山形波形の立上り、立下りから深さを求めることができます。
Report Editor Proでは、山形波形判別アシスト機能(カーブ)を用いることで比誘電率を推定することができます。
鉄筋を示す山形波形にポイントを入力します。
比誘電率の推定に利用する山形波形は、鉄筋に対して直交に測定した、鮮明なものを選びます。
入力したポイントを選択し、[ポイントツール]を表示します。
[ハイパボーラ]にチェックを入れてポイントにカーブ(ハイパボーラ)を付加します。
このカーブの形状は、ポイントのかぶりから計算されます。
上記の操作をしても山形波形判定アシストカーブ(ハイパボーラ)が表示されない場合
ポイントの[表示]のハイパボーラにチェックが入っているかをご確認ください。
[比誘電率]を変更すると、ポイントの山形波形判定アシストカーブの形状が変化します。
山形波形の立上り、立下りの角度とカーブを角度が同じになるように[比誘電率]を調整します。
山形波形の頭部ではなく、山形波形の立上り、立下りの角度に注目します。
[表示色]を白黒16階調(上から3番目)にし、下図のように山形波形の稜線にカーブを合わせます。
注意事項
比誘電率の推定には、測線に対して直交した鉄筋の山形波形を使用してください。また鉄管やラップ筋など極端に太いものでは使用できません。あくまでも目安としてご利用ください。